ヰンダルジェンス

はやく主人公になりたい。(日々を可能なかぎり文学的に書き残す、私なりの彼との全記録)

History

ヒポクリトの幸福論

人は誰だって幸せになりたい、という前提で世の中は動いています。幸せになるための節約術。占い。片付けの方法。お金のやりくり。生きとし生けるもの全て自分の幸せの方に歩みを進める――なんとも滑稽です。本気で幸せになることが幸せなのか、誰もわからな…

犬に矜恃

再三申しております通り、残念ながら私は大変生きにくい顔面をしておりまして、美人でもなければ可愛くもなく、笑顔が素敵なタイプでもなく、簡単に言えばただの卑屈な不細工です。それでもなんだか13歳だか、14歳の頃だかからお付き合いする方には困らず、…

色覚異常の世界より

基本的に私の見ている世界は情報という情報で溢れていて、それらの情報が異常な結びつきを起こしながら脳の中で常に漂っています。とりわけ色に関しては私は強烈に敏感です。発達障害の人の「色覚過敏」とはまた異なって、私の頭の中では情報と色とが多くの…

私たちの赤色

後ろ手に組んだ腕をKが整えて、そっと組み直させると、体がふわっと浮き上がるような気がしました。ああ、これから縛られるんだ。そう思ったら、安心したような、敬虔なような不思議な気持ちになって、私はいつも泣きそうになってしまうのです。 Kの最近のご…

盲蜥蜴と小夜啼鳥の寓話

夜を切り裂き飛び回る小夜啼鳥と、その天敵である盲蜥蜴。彼らはかつて仲良く暮らしていたことがあるのをしっていますか。小夜啼鳥も、盲蜥蜴も、昔持っていた目玉はひとつずつ。ひとつの目しか持たない異形同士、身を寄せあい助けあい、しあわせに穏やかに…

In WonderLand

アリス=リデル。永遠の少女の象徴。キャロルが書いた「不思議の国のアリス」のモデルと言われているイギリス人女性です。彼女はなかなかに波乱に満ちた生涯を送っています。3歳でキャロルと出会い、のちに20歳も離れた彼に求婚されたとか、されていないとか…

生癖 - Kの話

性癖と呼ぶにはあまりに生きるために必要な"何か"に近く、 生きていく上での癖としてはあまりに人に受け入れられないリビドーのお話。 この記事では私の恋人であり、世の中を面白く生きていくためのパートナーであり、何故か血のつながりを感じる存在であり…

生癖

タイトルを読んで「せいへき」と読むか、「いきぐせ」と読むかで心の純粋さがわかる気がします。残念ながらどちらが正解というお話ではなく、せいへき、かつ、いきぐせ、両方に引っかかります。"癖"というのは面白い言葉で、ヘキと読めばなんとなく性的なも…

世界が始まった時のお話

Sは私によく言いました。「君は俺の神様、君だけいればいい、愛してくれない母親も他の人もいらない、俺の神様。俺の神様。俺の神様。俺だけの」、――信じるものに捨てられた神様はどうなるのでしょうか。神を作るのは人々の信仰心です。逆に言えば、信仰心の…

世界が終わった時の話

ちょっと長くなります。私が生きていた一つの世界が終わって、新しい世界がはじまったお話をさせてください。 2017年、今振り返っても全くロクな年ではありませんでした。とあるご高名な占い師の作った表を見ると、去年の私は小殺界。何だかよくわかりません…